グランビルの法則

グランビルの法則(Granville's 8 Rules for Moving Average)は、移動平均線を利用したチャート分析理論をいいます。

米国の金融記者でチャート分析家であったジョゼフ・E・グランビル氏(1923-2013)が考案したもので、具体的には、価格と移動平均線に着目し、乖離や方向性を見ることで先行きを予測するものとなっています。また、グランビル氏は、テクニカル指標の「OBV(On Balance Volume)」を考案したことでも知られています。

ここでは、グランビルの法則について、簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

グランビルの法則の概要

グランビルの法則は、チャートにおいて、移動平均線の方向性(トレンド)と価格の乖離の仕方を見ることで「価格の先行き(売買のタイミング)」を判断するものとなっており、価格と移動平均線の関係を8項目にまとめています。

元々は、株式を対象としたものでしたが、今日では、株式の他に外国為替や商品先物などマーケット全般で広く用いられています。

◎グランビルの法則は、チャートにおいて、価格と移動平均線の乖離と収斂の習性に着目したものである。

◎グランビルの法則は、買いポイントが4つ、売りポイントが4つの計8つのポイント(基本法則)で構成されている。

◎グランビルの法則で利用する移動平均線の期間と時間足は、「200日移動平均線」と「日足」が基本となる。

◎グランビルの法則で8つのポイントを判定する際には、トレンド(長期で上向き・横ばい・下向き)と、相場の行き過ぎ(移動平均線からの上方・下方乖離の程度)に注目する。

グランビルの法則の例

グランビルの法則の4つの買いポイント

グランビルの法則の4つの買いポイントは、チャートにおいて、移動平均線の向きと価格の乖離の仕方から以下のようになっています。

(1)移動平均線が下落後、横ばいまたは上向きに転じた時に、価格が移動平均線を下から上に突き抜けた場合。重要な買いポイントで、トレンドの転換点であり、一つの波動に1回だけある。

(2)移動平均線が上向きの時に、価格が一旦下落して移動平均線を下回るも、再度上昇して移動平均線を下から上に突き抜けた場合。押し目買いのポイント。

(3)移動平均線が上向きの時に、価格が移動平均線の手前まで一旦下落するも、移動平均線を下抜けることなく価格が再度上昇する場合。買い増しのポイント。

(4)移動平均線が下向きの時に、価格が移動平均線から大きく乖離して下落した場合。反発を狙った短期の買いポイント。

グランビルの法則の4つの売りポイント

グランビルの法則の4つの売りポイントは、チャートにおいて、移動平均線の向きと価格の乖離の仕方から以下のようになっています。

(5)移動平均線が上昇後、横ばいまたは下向きに転じた時に、価格が移動平均線を上から下に突き抜けた場合。重要な売りポイントで、トレンドの転換点であり、一つの波動に1回だけある。

(6)移動平均線が下向きの時に、価格が一旦下落し、再度上昇して移動平均線を下から上に突き抜けた場合。戻り売りのポイント。

(7)移動平均線が下向きの時に、価格が一旦上昇するも、移動平均線の手前で止まり、再度下落した場合。売り乗せのポイント。

(8)移動平均線が上向きの時に、価格が移動平均線から大きく乖離して上昇した場合。反落を狙った短期の売りポイント。

グランビルの法則の利用上の注意点

グランビルの法則は、チャートにおいて、価格と移動平均線の位置関係から売買ポイント(タイミング)を捉える際に利用しますが、一方で以下のような点に注意が必要です。

◎出現パターン(売買ポイントの出方)は様々で、一つの波動の中で全てのパターンが出ることは滅多にない。また、順番も様々である。

◎移動平均線の向きを判断するには、週や月だと粗すぎて向きを判断するのに向かず、200日の移動平均線が丁度良い(200日がない場合は40週や9~10カ月程度で代用)。

◎移動平均線との乖離を狙った取引のタイミングに注意する。また、実際の取引では、明確に損切りラインを決め、リスクを許容した取引を行うことが大切である。

◎トレンドの転換時の買いや売りのタイミング(判断)は結構難しいため、売買に慎重を期すなら、トレンドが明確になってからの売買ポイント(押し目買いや戻り売りなど)に注目してもよい。