酒田五法とは何か?

酒田五法(さかたごほう)は、「酒田罫線(さかたけいせん)」とも呼ばれ、江戸時代の天才的な相場師であった本間宗久が考案したと言われる、テクニカル分析手法をいいます。

元々は、米相場(米の先物取引)で用いられていたもので、ローソク足の組み合わせによる、「三山(さんざん)」「三川(さんせん)」「三空(さんくう)」「三兵(さんぺい)」「三法(さんぽう)」の五つの法則を用いて、売り買いのタイミングを図る手法となっています。

ここでは、今日においても、株式や商品先物、FXなどで広く使われる「酒田五法」について、簡単にまとめてみました。

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酒田五法の本間宗久

酒田五法の考案者と言われる、本間宗久(通称:久作、1724-1803)は、出羽庄内(現・山形県酒田市)出身の商人で、天才的な相場師でした。

酒田の富豪「新潟屋」の本間久四郎光本の三男として生まれ、若い頃に江戸に見聞に行き、そこで米相場の投機を知り、帰郷後に父に進言するも「商いの正道ではない」と拒否されました。

父の死後、後を継いだ長兄・光寿が数年で隠居し、その子ども(跡継ぎ)である光丘を修行に行かせた際に久作が仮の主となり、店(新潟屋)の資金を元手に酒田の米相場で投機を行い、最初の成功を収めました。

その後、光丘が帰郷して新潟屋の主となり、経営方針の違いにより仲たがいしたことで、久作は江戸に出て米相場の投機を行いましたが、大失敗しました。そして、再起を図るために大坂に出て、再度、米相場の投機を行い、大成功を収めて「出羽の天狗」と称されました。

米相場での成功後は、投機だけでなく商いも行い、また長年対立していた甥の光丘とも和解し、江戸で新潟屋の現物米とあわせて諸藩に貸付を行い、莫大な財産を築いたそうです。

ちなみに、「酒田五法」という呼称は、本間宗久が酒田の出身であったことに由来します。

酒田五法の概要

酒田五法の構成と活用

酒田五法は、ローソク足の組み合わせによって、相場の売り場や買い場を読む、五つの法則(三山、三川、三空、三兵、三法)から構成されています。

三山(さんざん)

三山は、「三尊(さんぞん)」とも呼ばれ、上昇相場で底値から上昇・下降を三回繰り返し、天井をつけると下落に転じるとされ、上昇相場の時の下落に転じるタイミングを捉えるものです。これには、「赤三山」、「三尊天井」、「三段上げ」の3つの解釈があるようです。

三川(さんせん)

三川は、下落相場で下降・上昇を三回繰り返し、大底を打った後に上昇に転じるとされ、3本のローソク足の並びに注目して相場の転機を捉えるものです。酒田五法の中で最もバリエーションがあり、代表的なものとして、「三川明けの明星」や「三川宵の明星」、「三川上放れ二羽鳥」などがあります。

三空(さんくう)

三空は、三連続でローソク足が窓を空け、相場が勢いよく上昇・下降する場合で、相場の転換点が近いとされるものです。通常、上昇局面なら売り、下落局面なら買いと「反対売買の機会」と言われています。

三兵(さんぺい)

三兵は、陽線または陰線が3本並んで、同じ方向に階段状になっているもので、相場の転換点が近いとされるものです。

赤三兵
陽線が3本、連続で同じ方向(上昇)にある状態を指し、相場が上昇局面入りするサインとされる。

黒三平
陰線が3本、連続で同じ方向(下落)にある状態を指し、相場が下降局面入りするサインとされる。

三法(さんぽう)

三法は、短い期間に上昇と下落が連続して起こる場合は、売り買いが交錯して方向性が定まらない状態であり、このような時は休んで様子を見ることも大切であるとされます。

上げ三法
手前の3つ続いた陰線を超える大きな陽線が出現すると、さらなる上昇へ相場が向かうというもの。

下げ三法
手前の3つ続いた陽線を超える大きな陽線が出現すると、さらなる下落へ相場が向かうというもの。