新値足とは何か?

新値足(しんねあし)は、縦軸に価格を取り、横軸に時間の概念が入らない不規則の時系列チャートをいいます。

目先の小さな価格変動に捉われず、トレンドの転機を把握するために開発されたテクニカル指標で、時間の概念をなくし、終値ベースで所定の価格変動があった時のみ、足(陽線・陰線)を記入していくものとなっています。

ここでは、トレンドを把握する際に便利な「新値足」について、簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

新値足の基本と種類について

新値足は、相場の流れ(上昇・下落)に合わせて「新値(足)」を記入し、前の所定の本数の値幅を超えて相場の流れが変わった時(上昇転換時・下落転換時)に、逆のを記入するという仕組みになっています。

また、トレンドが転換する基準となる所定の本数(3本・5本・10本等)に応じて、「新値3本足」や「新値5本足」、「新値10本足」などがあり、この中で「新値3本足」が一番よく使われています。

新値3本足:逆の値動きで前の3本を抜いたら逆の足を記入
・新値5本足:逆の値動きで前の5本を抜いたら逆の足を記入
・新値10本足:逆の値動きで前の10本を抜いたら逆の足を記入

新値足の例

なお、新値足は、時間を考慮しない「非時系列新値足」が基本(通常タイプ)となりますが、それを補完するものとして、時間を考慮した「時系列新値足」もあります。

・非時系列新値足:新値の時のみ足を記入
・時系列新値足:同じ足が続く場合、横に伸ばして記入

新値足の書き方について

新値足は、所定の期間の終値を用いて、上昇相場では高値を更新した時に、下落相場では安値を更新した時に、縦軸の行と横軸の列を変えて新しい足(陽線、陰線)を記入します。また、陽線から陰線、陰線から陽線への転換については、設定した前の足本数(3本・5本・10本等)を抜いた時に逆の足を記入します。

新値足の書き方(新値三本足の場合)

◎上昇相場では、高値を更新した時に「新値」とみなして新しい足を記入する。また、同値や所定の本数の値幅を下回らなかった安値の時は何も記入せず。

◎下落相場では、安値を更新した時に「新値」とみなして新しい足を記入する。また、同値や所定の本数の値幅を上回らなかった高値の時は何も記入せず。

◎上昇相場または下落相場において、反対の値動きで所定の本数を抜いた時に「新値」とみなして逆の足を記入し、この時に相場が転換する(足の種類が変わる)。

※新値足において、陽線・陰線は上昇・下落の値幅を示すもので、ローソク足の陽線・陰線とは異なる(足は白・黒や赤・青など二色で表示)。

新値足の見方について

新値足は、相場の大きなトレンドを把握する時やトレンドの転換点を探る時などに便利なテクニカル指標で、基本的な見方として以下が挙げられます。

◎新値3本足は「短期トレンド」、新値5本足は「中期トレンド」、新値10本足は「長期トレンド」を示すとされる。

◎チャートにおいて、陽線が続いている時は上昇トレンド、陰線が続いている時は下降トレンドを示すとされる。

◎陰線から陽線に変わった陽転の場合は「買い」、陽線から陰線に変わった陰転の場合は「売り」のシグナルとされる(転換した後、2本連続であれば、さらに強いシグナル)。

◎陽転の場合、その前に続いていた陰線の数が多いほど、その後の値上がりの力が強いとされ、一方で陰転の場合、その前に続いている陽線の数が多いほど、その後の値下がりの力が強いとされる。

◎経験則的には、概ね10本程度の足が連続更新された後に逆の足が出現すると、相場は反転したと判断される。

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