債券のリスクとリターンは?

債券は、マーケット(債券市場)において、発行体が必要な資金を調達するために発行する有価証券(借用証書)ですが、その種類には、国債のようにリスクの低いものから、ジャンク債のようにリスクの高いものまで、非常にバラエティに富んでいます。

一般に債券投資において、格付けの高い(リスクの低い)債券は、収益性が低く、一方で格付けの低い(リスクの高い)債券は、収益性が高くなっています。そのため、債券で運用する際には、リターンに注目するだけではなく、リスクにも十分に注意することが必要です。

ここでは、債券のリスクとリターンについて、簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

債券のリスクについて

債券のリスクは、国債や地方債、普通社債、外債、仕組債など、債券の種類によって異なりますが、具体的には、以下のようなものがあります。その中でも、信用リスクは、万が一、デフォルト(債務不履行)となって大きな損失を出さないためにも十分にご注意ください。

|信用リスク

債券の信用リスクは、「デフォルトリスク」とも呼ばれ、債券の利払いや償還が約束通りに行われない可能性のことをいいます。

・発行体の破綻等で元本や利息が支払われないリスク
・格付け機関の格付けが一つの参考になる

|カントリーリスク

債券のカントリーリスクは、債券の投資対象国・地域において、政治・経済等の状況によって、マーケットに混乱が生じた場合、債券価格が大きく下落する可能性のことをいいます。

・国や地域の信用面のリスク
・経済危機、インフレ、クーデター、紛争、テロ・・・

|価格変動リスク

債券の価格変動リスクは、マーケットにおいて、保有する債券の価格が変動することをいいます。

・金利動向等によって債券価格が変動するリスク
・金利低下は債券価格上昇、金利上昇は債券価格下落

|為替リスク

債券の為替リスクは、外国債券に投資する場合に、為替の差損益が生じることをいいます。

・外国債券の場合、為替が変動するリスク
・円高になると為替差損が発生することもあり

|流動性リスク

債券の流動性リスクは、保有する債券をマーケットで売却する場合に、円滑に売却(取引)ができなかったり、著しく不利な価格での取引を余儀なくされたりすることをいいます。

・売却したいと思った時に売却できないリスク
・国債以外は、あまり流動性が高くない

債券のリターンについて

債券のリターンは、株式と同様、「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」から構成されます。

|インカムゲイン

債券のインカムゲインは、債券を保有することで、安定的かつ継続的に受け取ることのできる「利息収入(クーポン)」のことをいいます。

・固定利付債:利率は固定で、償還期限まで利息は一定
・変動利付債:利率は変動で、償還期限まで利息は変動

|キャピタルゲイン

債券のキャピタルゲインは、マーケットにおいて、"売却価格>取得価格"で途中売却した時の「売却益」と、"償還価格>取得価格"で償還まで保有した時の「償還差益」の二つがあります。

・売却益:売却価格-取得価格
・償還差益:償還価格-取得価格

一方で、"売却価格<取得価格"の時は「売却損」、"償還価格<取得価格"の時は「償還差損」となり、「キャピタルロス(損失)」が発生することになります。

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