利付金融債
利付金融債は、特定の金融機関が特別の法令に基づいて発行する債券のうち、割引形式ではなく、クーポン(利息)が支払われる利付形式の債券をいいます。これは、発行時から満期まで金利が変わらない固定金利商品(金利が発行時に確定する固定金利債券)で、「募集発行債(募集債)」と「売出発行債(売出債)」の2つがあります。
長年、個人の場合、随時資金を払込む「売出債」を購入することがほとんどでしたが、現在、売出債は発行されていません。
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利付金融債(売出債)の発行状況--終了
利付金融債(売出債)は、発行当時、金融機関(発行機関)が独自の名称(商品名)をつけ、償還期間は5年、購入単位は1万円以上1万円単位、利息は半年毎に受け取れました(リットーは償還期間は3年)。また、利率は発行機関が独自に決定し、毎月2回発行されました。
時代の変化の中、21世紀以降、資金調達手段の多様化によって発行額が大きく減少し、発行を取りやめるところが相次ぎ、2012年に最後まで残っていた商工組合中央金庫が新規発行を終了し、その役割を終えました。
※利付金融債の一種で、利子一括払のタイプもあった。
リッキー
・みずほ銀行(旧・日本興業銀行)が発行する「利付みずほ銀行債券」
・2007年3月27日をもって新規発行を終了
リッチョー
・新生銀行(旧・日本長期信用銀行)が発行する「売出長期信用債券」
・2004年10月27日をもって新規発行を終了
リッシン
・あおぞら銀行(旧・日本債券信用銀行)が発行する「あおぞら債券」
・2011年9月27日をもって新規発行を終了
リットー
・三菱UFJ銀行(旧・東京銀行)が発行
・2002年3月28日をもって新規発行を終了
リッショー
・商工組合中央金庫が発行する「利付商工債券」
・2012年12月27日をもって新規発行を終了
リツノー
・農林中央金庫が発行する「利付農林債券」
・2006年3月27日をもって新規発行を終了
利付金融債(売出債)の基本事項--終了
利付金融債(売出債)は、発行時に確定している年利率で計算した利息が半年ごとに受け取れる債券で、発行当時、金利が固定のため、高金利時や金利低下局面で強みを発揮し、半年毎に利息(金利)をもらいたい時などに活用しました。
取扱機関 | 銀行、系統金融機関 |
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リターン | 利息 |
リスク | 信用リスク(発行金融機関の倒産) 価格変動リスク(債券価格) ※中途売却では時価により売却損の可能性もあった |
関連マーケット | 長期金融市場 |
預入金額 | 額面1万円単位(売出債) 額面1千万円以上1千万円単位(募集債) |
預入期間 | 5年 |
金利種類 | 固定金利 |
利払い | 半年に1回ずつ利払い |
税金 | 源泉分離課税(当時) |
保護制度 | 個人向けの保護預り専用商品は預金保険制度の対象 |