ノンフリート等級とは何か?

クルマに乗る方にとって、自動車保険の「等級」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか? ただ、この等級については、自動車保険の保険料に影響を及ぼすものだと知っていても、具体的に何なのと聞かれると「・・・」という人も多いのではないでしょうか?

ここでは、自動車保険の等級について、簡単にまとめてみました。

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ノンフリート等級について

普段、自動車保険(任意保険)で耳にする等級とは、「ノンフリート等級」を意味します。これは、9台以下の契約(ノンフリート契約)に適用される等級で、最下位の「1等級」から最上位の「20等級」まであり、最初に任意保険を契約する際には「6等級」から始まり、以後、毎年変動することになります。

もし1年間事故がなければ(保険を使わなければ)、等級は翌年に1等級上がりますが、一方で事故を起こして保険を使うと、翌年に3等級または1等級ダウンします。

自動車保険の保険料と等級の関係は?

現在、自動車保険(任意保険)は、「等級別料率制度」を採用しています。等級別料率制度とは、無事故を続けるドライバーには保険料を安くし、反対に事故を起こして保険を使ったドライバーには保険料を高くするというものです。

下記の表は、「等級別割増率」の一例(継続契約の場合)で、これを見ると、1等級(64%割増)の年間保険料は、20等級(-63%割引)の約4倍になります。

等級 20 19 18 17 16 15 14 13 12 11
無事故 -63 -55 -54 -53 -52 -51 -50 -49 -48 -47
事故有 -44 -42 -40 -38 -36 -33 -31 -29 -27 -25
等級 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1
無事故 -45 -43 -40 -30 -19 -13 -2 +12 +28 +64
事故有 -23 -22 -21 -20

<ワンポイントアドバイス>

◎もし1等級の人が保険料割引が発生する4等級に戻そうと思っても、無事故で丸4年かかるため、今後、保険料を大きく低減するためには、安全運転を徹底して事故を起こさないことが必要である。

単独事故で損害額(修理費・治療費等)が小さい場合、保険を使わず、自腹で支払った方が長期的に見て有利なケースもある(もし保険を使うと等級がダウンし、契約更新時に保険料が上がるので)。

◎相手がいる事故では、後で先方から予想外の要求がありえるので、賠償金額が小さくても、自分の判断で処理せず、保険会社と必ず相談して対応する。

◎等級の低い人や、免許を取ったばかりでまだ運転に自信のない人などは、事故を起こして保険を使っても1回だけなら翌年の等級がダウンしない「等級プロテクト特約」を付けるのもよい(特約料はかかる)。

保険会社を変えると等級はどうなる?

等級については、保険会社を変えると「引き継がれないのでは?」と思っている方もおられますが、その心配はありません。

損保業界では、保険会社間で等級の確認制度があるため、前年の契約に照らし合わせて、新契約の等級が正しいか、また重複して契約していないかなどが確認されるからです。これによって、自動車保険の見直しにおいて、等級は保険会社を変えても問題なく引き継がれますので、自分にとって最適な保険会社を安心して選んで頂ければと思います。

<ワンポイントアドバイス>

◎自動車保険は、契約更新にしろ、保険会社の変更にしろ、満期日から1週間以内に新たな契約を開始しないと、新規の契約扱い(等級が6等級に戻る)になってしまうので、手続きは早めに行うようにする(事故を起こして割増になっている等級は、保険契約を中断しても、基本的に13カ月間は履歴が残る)。

◎一定の条件を満たした場合、自動車を所有しない(クルマの廃車、海外転勤などの)時に自動車保険の中断手続きをすれば、再契約の際に中断以前の等級をそのまま引き継ぐことができる。

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