税務署の役割と仕事は?
税務行政の組織は、「税制の企画・立案機関」と「執行機関」に分けることができます。
現在、日本においては、財務省主税局が税制の企画・立案を行い、国税庁が賦課・徴収の執行機関となっています。また、国税庁の下には、全国で11の国税局(札幌、仙台、関東信越、東京、金沢、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、熊本)と沖縄国税事務所のほか、第一戦で賦課・徴収を行う税務署があります。
目次:コンテンツ構成
税務行政の組織について
国税庁は、税務行政を執行するための企画・立案を行い、国税局と税務署を指揮・監督しています。また、全国で11の国税局と沖縄国税事務所では、税務署の事務運営を指揮・監督すると共に、特定の事務について自らも賦課・徴収に当たります。
・税制の企画・立案
-財務省主税局
・税制の執行
-国税庁 > 国税局 > 税務署
税務署の部門について
税務署は、規模によって置かれている部門の種類や数は異なりますが、通常、個人事業者等の申告所得税や消費税などの指導と調査を行う「個人課税部門」、法人税や消費税、源泉所得税、印紙税などの指導と調査を行う「法人課税部門」、相続税や贈与税、土地・家屋等を譲渡した時の所得税などの指導と調査を行う「資産課税部門」などがあります。
|個人課税部門
個人課税部門では、所得税や個人の消費税についての相談や調査を行っています。また、相談や調査以外にも、個人事業者向けの各種説明会や青色申告のための記帳指導・研修なども担当しています。
◎譲渡を除く個人の申告所得税や消費税(対個人)などの指導・調査
|法人課税部門
法人課税部門では、法人税や源泉所得税、酒税、印紙税、揮発油税、法人の消費税についての指導・調査を行っています。また、税務署によっては、酒類指導官が酒税などの指導・調査、お酒の免許に関する事務などを広域的に行っているところもあります。
その他に、企業等の取引の国際化の進展に対応するため、国際調査情報官を設置し、海外取引に関する実態把握や情報収集、海外取引法人に対する調査などを広域的に行っているところもあります。
◎法人税や源泉所得税、消費税(対法人)などの指導・調査
|資産課税部門
資産課税部門では、相続税や贈与税、土地・家屋等を譲渡した時の所得税などについての指導・調査を行っています。また、相続税等の計算をする場合の土地の価額は、通常、路線価や倍率による評価額となりますが、この評価額を決める作業も行っています。
◎譲渡所得税(対個人)や相続税、贈与税などの指導・調査、財産評価
|管理徴収部門
管理徴収部門は、国税債権の管理、還付金の処理、延納・物納に関する事務、現金の領収、納付の相談、滞納処分、納税証明書の発行などを行っています。また、特定の税務署には、納税専門官が配置されており、いくつかの税務署にまたがって、物納に関する許可事務を行っています。
◎納税の管理や納税証明書の発行、滞納の整理