提携ローンと非提携ローンの違いは?

マイホームの購入にあたって、物件の検討以外に、資金計画も大きなポイントになります。通常、資金計画においては、自己資金以外に住宅ローンを利用するのが一般的ですが、その際に「提携ローン」と「非提携ローン」という選択肢があることが多いです。

特に大手の不動産会社やハウスメーカーなどが開発・分譲する物件(戸建て・マンション)では、購入者の利便性を図る上で「提携ローン」を用意していることが多いです。また、各地域の有力な不動産会社や工務店などの物件でも用意していることがあります。

ここでは、住宅ローンの「提携ローン」と「非提携ローン」について、その概要や違いを簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

提携ローンについて

提携ローンは、金融機関が他の企業と提携して行う融資(ローン)をいいます。これは、住宅ローンに関しては、不動産会社やハウスメーカーなどが金融機関と提携し、物件購入者の資金調達の利便性を図るものです(マンション等では、物件広告に融資条件が明記されているものもあり)。

提携ローンのメリット

・物件審査が予め行われているため、審査に要する時間が短い
ローン特約(融資特約)が付くのが一般的である
・金融機関から業者の口座に直接代金が振り込まれるので、手続きが簡単である(融資実行から物件引渡し、抵当権設定までスムーズ)
・残金決済の曜日を自由に設定できるので、平日以外(土日祝日)でも物件の引渡しができる
・物件によっては、金利優遇を用意している場合もある(大規模分譲等では、提携金融機関も融資案件を多く取れるので)
・物件によっては、割安な保険料で火災保険に加入できる場合もある

提携ローンのデメリット

・物件購入者にとって、必ずしも有利なローンとは限らない
・業者の分だけ、事務手数料が余計にかかることがある
・全体的に業者主導で話が進められることが多い

非提携ローンについて

非提携ローンは、提携ローンに対する呼称で、ローンの利用者が銀行・信金・信組・労金・JAバンク等の金融機関に直接申し込み、審査を受けた後、融資を受けるものをいいます。

通常は、長年取引している金融機関で申し込むことが多いですが、昨今では、住宅ローンの獲得競争もあり、金利等でより有利な金融機関やモーゲージバンクで申し込むこともあります。

非提携ローンのメリット

・自分に合った有利なローンを選択できる
・通常の団信に加えて、疾病保障付のローンも選択できる
・資金計画は自分主導で最適なプランを作れる(金融機関等の住宅ローン相談を利用できるほか、専門性の高いFPも利用できる)
・提携ローンの業者側の手数料がないため、余分なコストがかからない
・金融機関によっては、住宅ローン利用者に対して特典を設けている

非提携ローンのデメリット

・ローン特約(融資特約)が付かないことが多い(万が一、融資審査が通らなかった場合、物件の手付金等が返還されない)
・残金決済は平日に限定されるのが普通で、物件の引渡日は平日であることが多い

提携ローンと非提携ローンの違いについて

住宅ローンにおいて、「提携ローン」と「非提携ローン」のどちらがいいかは一概には言えず、最終的には利用者がトータルで判断することになります。以下では、両者の違いを簡単にまとめてみました。

◎提携ローンは、物件審査が予め行われているため、非提携ローンと比べて、審査に要する時間が短い。

◎提携ローンは、非提携ローンと比べて、融資実行から物件引渡し、抵当権設定までスムーズである。

◎提携ローンは、業者が用意するものであるため、内容面で制約があり、また手数料がかかることもある。一方で、非提携ローンは、自分に合った有利なローンを選択でき、余分なコストがかからない。

◎提携ローンは、ローン特約が付くのが一般的なのに対して、非提携ローンは、ローン特約が付かないことが多い(ローン特約が付かないと、万が一、融資審査が通らなかった場合、物件の手付金等が返還されない)。

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