住宅ローンの固定金利と変動金利の違いは?

住宅ローンを借りるにあたって、最も重要になるのが「金利タイプ」の選択ではないでしょうか?

借入金額や返済期間などは、物件価格やライフプランなどから自ずと決まってきますが、金利タイプについては、どれを選択するかによって返済額が大きく変わってきます。また、将来の金利の見通しをどう考えるかによって、家計(返済)面のリスクも異なってきます。

ここでは、住宅ローンの金利タイプについて説明すると共に、それぞれの違いについて簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

住宅ローンの金利タイプについて

住宅ローンの金利タイプは、「全期間固定金利型」、「固定金利選択型」、「変動金利型」の3つのタイプがあり、超低金利があまりに長く続く中、最も金利水準が低い「変動金利型」が一番人気があります。

今の超低金利は、いつか終わるが来るのは確かで、そのいつかは誰にも分かりませんが、将来的な金利上昇の可能性(リスク)や対策については、考えておくことが必要ではないかと思います。

全期間固定金利型について

全期間固定金利型とは、契約した時点で、借入期間中の金利が固定されるタイプをいいます。これは、金利が最終返済日までずっと固定されているので、毎月の返済額もずっと変わりません(ボーナス返済をする場合、ボーナス月が多くなる)。

現在、フラット35が代表例として挙げられるほか、金融機関独自の固定型(独自ローン)も提供されています。

・金利は、全ての金利タイプの中で一番高い
・金利は、長期金利の水準などを基に決められる
・全期間、同じ金利なので、金利上昇期にも心配ない
・将来の返済内容(毎回の返済額や最終的な総返済額)が確定しているので、ライフプランが立てやすく、家計管理がしやすい

固定金利選択型について

固定金利選択型とは、借入当初から、2年、3年、5年、7年、10年などの一定期間の金利が固定されるタイプをいいます。

「全期間固定金利型」と「変動金利型」の中間に位置するもので、通常、金利は変動金利型より高く、全期間固定金利型より低く、また自分のニーズに合わせて、固定期間を選択することができます。

・金利水準は、変動金利型と全期間固定金利型の間である(固定金利期間が短いほど当初の金利が低い)
・固定金利期間の終了後は、その時点の金利水準で、変動金利型や固定金利選択型を選択することができる
・固定金利期間の終了後(次の金利タイプの選択時)に金利変動幅や返済額について上限等は設定されていないので、将来、金利が大幅に上昇すれば、その後の返済額が膨らむ

変動金利型について

変動金利型とは、返済期間の途中に、定期的に金利が見直されるタイプをいいます。これは、通常、金利が1年に2回見直されるため、金利変動(短期金利)の影響をストレートに受けます。

また、多くの金融機関では、毎回の返済額の改定は5年毎に、かつ改定後の返済額が従前の1.25倍以内というルールを設けています。

・金利は、全ての金利タイプの中で一番低い
・金利は、通常、1年に2回見直される
・金利が想定外に大きく上昇すると、元本が減らず、未払利息まで発生するリスクがある

住宅ローンの固定金利と変動金利の違いについて

住宅ローンを借りる場合、金利タイプとして、「全期間固定金利型」、「固定金利選択型」、「変動金利型」の3つから選択することができ、それぞれに一長一短(メリットとデメリット)があり、以下では、各々の違いをまとめてみました。

◎固定金利は、変動金利より金利水準が高く、3つの金利タイプでは、全期間固定金利型、固定金利選択型、変動金利型の順で金利が低くなる(変動金利型が常に金利が一番低い)。

◎全期間固定金利型は、将来の金利変動に影響されないのに対して、変動金利型と固定金利選択型は将来の金利変動に影響される(固定金利選択型は、一部の期間しか金利が固定されておらず、変動金利型と同様、金利上昇リスクがある)。

◎全期間固定金利型と固定金利選択型は、マーケットの長期金利が基準となっているのに対して、変動金利型はマーケットの短期金利が基準となっている。

◎家計面においては、全期間固定金利型が唯一、将来の返済額が確定しているのに対して、変動金利型と固定金利選択型は、万一、金利が大幅に上昇した場合、返済負担が大幅に増える可能性がある。そのため、この二つについては、将来の金利上昇リスクを減らす上で、家計に無理のない範囲で繰上返済をうまく活用するのがポイントになる。

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