返済と弁済の違いは?
金銭や物品など何かを返すことを意味する用語に「返済」と「弁済」の二つがありますが、この二つの違いをご存知でしょうか? 日常的には、返済の方がよく使われる一方で、弁済はあまり使われず、どちらかと言えば、弁済の方が意味合い的に曖昧ではないでしょうか?
ここでは、「返済」と「弁済」の違いについて、簡単にまとめてみました。
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返済について
返済(へんさい)は、借りたお金や物を相手に返すことをいいます。これは、債務者が債務本来の趣旨に基づき、債権者に物の引渡、金銭または物を給付し、債権を消滅させることを指します。
また、一部返す場合でも全部返す場合でも使われ、借りたお金を相手に全部返すことを「完済」と言います。
|約定返済|
ローンにおいて、契約(取り決め)による返済のこと。
|繰上返済|
約定返済とは別に、まとまった金額を返済し、ローンの残高を適宜減らすこと。
弁済について
弁済(べんさい)は、借りたものを相手に返すこと、また法律用語では、債務者または第三者が債務の内容である給付を実現して債権を消滅させることをいいます。
相殺・更改・免除・混同などと共に、民法の債権・債務を消滅する方法の一つで、債務者または第三者が債務の給付を実現して、債権を消滅させることを指します。通常、その提供と受領との結合によって成立しますが、債務者が単独に供託して弁済の責任を免れることもあります。
|代位弁済|
債務者以外の第三者または共同債務者の一人などが、債権者に対して、債務の弁済を行うこと。
|代物弁済|
債務者が債権者の承諾を得て、本来の債務の履行の代わりに、別なもので弁済すること。
返済と弁済の違いについて
最後に「返済」と「弁済」の違いを簡単にまとめると、以下のようになります。
◎どちらも借りたものを返すという意味は同じであるが、返済は一部返す場合でも全部返す場合でも使われるのに対して、弁済は全部返す場合にしか使われない。
◎返済は法律用語として使われないのに対して、弁済は法律用語として使われる。