配当指数先物取引

配当指数先物取引は、デリバティブ取引の一つで、配当指数を取引対象(原資産)とした取引所の先物取引をいいます。

特定の株価指数の構成銘柄を一定期間(通常は1年間)保有した場合、受け取れる配当額を事前に予想して売買するというもので、主に保有株の配当額が変動するリスクをヘッジするために、機関投資家などが取引することが多いです。

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配当指数先物取引の視点

配当指数先物取引において、先物の買い手は、将来の増配余地が大きいと考える場合、割安なうちに先物で投資しておこうと考えて買いを入れ、実際に企業が配当見通しを引き上げて先物価格が上昇するか、もしくは実際に支払われる配当額が増えれば差額分が利益となります。

一方で、先物の売り手は、将来減配となるリスクが高いと考える場合、先にヘッジ売りをしておけば、将来受け取る配当額を固定することができます。

配当指数先物取引の種類(日本)

配当指数先物取引は、上場企業の配当変動リスクをヘッジする手段として、近年、世界的に市場規模が拡大しています。

欧米では、2008年6月以降、相次いで上場され、また日本では、2010年7月に東京証券取引所に「日経平均・配当指数先物」、「TOPIX配当指数先物」、「TOPIX Core30配当指数先物」が上場され、2014年3月に日本取引所グループの市場再編(デリバティブ集約)で大阪取引所に移管されました。

その後、2020年8月にTOPIX配当指数先物とTOPIX Core30配当指数先物が休止されたことで、現在、「日経平均・配当指数先物」のみが取引されています。

<日経平均・配当指数先物の概要>

日経平均株価の構成銘柄を毎年1月1日から12月31日までの間保有していた場合に得られる配当額を指数化した日経平均・配当指数を原資産とする先物取引。また、日経平均・配当指数とは、日経平均株価の構成銘柄を対象とした配当指数で、日本経済新聞社が算出・公表。

配当指数先物取引の主なポイント

日本には、現預金を潤沢に抱えている上場企業は多く、収益環境さえ良ければ、配当余力は高いとの期待があります。その半面、企業の配当政策は、市場の期待に対して素直に反応するものではなく、経営者の意思決定による面が大きく、必ずしも企業業績とは連動しておらず、配当指数先物取引を行う際には注意が必要です。

◎配当指数先物取引は、株価指数構成銘柄の配当額を予想して売買する(増配を予想するなら買いで収益を狙う、減配を予想するなら売りで収益を狙う)。

◎配当指数先物取引は、上場企業の配当変動リスクをヘッジする手段として利用できる。

◎配当指数は、ゼロから始まり、配当支払いが確定する毎に、その配当が積み上がっていく。

◎日本の配当指数の場合、3月決算の期末配当が株主総会で確定する6月頃と、中間決算の配当が確定する11月頃に急上昇する傾向がある。

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