本籍と住所の違いは?
日常生活において、「本籍」や「住所」といった概念が時折出てくることがあります。住所については、自分が住んでいる場所であり、誰もがその意味を理解されているかと思いますが、一方で本籍については、どこかは言えても、それが何かは意外と曖昧ではないでしょうか?
ここでは、知っているようでいて意外と知らない、「本籍」と「住所」の違いについて、簡単にまとめてみました。
目次:コンテンツ構成
本籍について
本籍(ほんせき)は、日本において、戸籍の所在場所をいいます。これは、土地の地番として存在する所であれば、日本のどこに定めても自由で、また他の場所に移す(転籍する)ことも可能です(本籍と住所は、必ずしも一致するとは限らず)。
なお、本籍が変わらなければ、戸籍に入っている人の住所の履歴(移り変わり)は「戸籍の附票」で確認することができます。
・証明書:戸籍謄本など各戸籍証明
・根拠法:戸籍法
・変更:転籍届、戸籍関係の届出(婚姻届・離婚届等)
※戸籍:日本において、日本国民の身分関係を登録し、公に証明する公簿をいい、個人の氏名、出生、親子関係、親族関係、養親子関係、婚姻・離婚、死亡などの情報が記録されている(本籍のある市区町村で保管・管理)。
住所について
住所(じゅうしょ)は、住んでいる所であり、行政上では、法律関係を処理する場合の基準となる場所をいいます。これは、正確には、住民登録がされている場所を指し、日常生活においては、住んでいる自治体に住民税を支払い、その地区の選挙に対して選挙権を持つことになります。
・証明書:住民票の写し、戸籍の附票
・根拠法:住民基本台帳法
・変更:転出・転入届、転居届
本籍と住所の違いについて
最後に「本籍」と「住所」の違いを簡単にまとめると、以下のようになります。
◎本籍が戸籍の所在場所であるのに対して、住所は住民登録がされている(住んでいる)場所である。
◎本籍は、生活の実態や住民登録の要件とは関係なく、日本全国の実在する地番であれば、どこに定めても自由であるのに対して、住所は、生活の本拠地を指すものであり、実際に住んでいる場所となる。
◎本籍は、戸籍を作った時の住所なので、未婚の場合、親から世帯を分けて、戸籍上の住所を変更しない限り、親と同じままになっている。また、住所変更の届出をしただけでは、本籍は変更されない(本籍を変更するには、転籍等の届出が必要)。