ダウ平均とS&P500の違いは?
米国の代表的な株価指数と言えば、「ダウ工業株30種(ダウ平均)」と「S&P500」の二つがあります。
どちらも、日々のニュースや新聞記事などで報道され、米国の株式市場の動向を知る上でカギとなるものです。また、ダウ平均やS&P500に連動するインデックスファンドやETFなどで運用される方もおられるのではないでしょうか?
ここでは、「ダウ平均」と「S&P500」について、その概要や違いを簡単にまとめてみました。
目次:コンテンツ構成
ダウ平均について
ダウ工業株30種(Dow Jones Industrial Average)は、「ダウ平均」や「NYダウ」とも呼ばれ、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出・公表する、米国の主要業種の優良30銘柄で構成される平均株価指数をいいます。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)とNASDAQに上場する銘柄の中から、米国を代表する優良30銘柄を選出して指数化したもので、その銘柄入替は、時代に合わせて、算出会社とウォール・ストリート・ジャーナルの代表者から編成される指数委員会によって行われています。
・米国を代表する優良企業30社で構成される
・値がさ株(株価の高い銘柄)の影響を受けやすい
・銘柄数が少なく、個別銘柄の影響を受けやすい
なお、名称の「工業(industrial)」という意味に対しては、広範な考えを持ち、輸送と公共事業以外の会社であれば、全ての会社が対象となります。
S&P500について
S&P500は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出・公表する、米国の証券取引所に上場されている代表的な500銘柄で構成される株価指数をいいます。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)とNASDAQに上場する500銘柄(24産業グループ)の株価を浮動株調整後の時価総額比率で加重平均して指数化したもので、1941年から1943年の平均を10として算出されます(1957年3月4日から公表され、その値動きの単位は0.01ポイント)。
・米国の株式市場の時価総額の約80%をカバーする
・米国の大型株の動向(米国経済のパフォーマンス)を表す最良の単一尺度として広く認められている
・米国株の運用において、世界の機関投資家の運用実績を測定するベンチマークとして広く利用されている
なお、S&P500は、米国の株式市場の大型株の動向を表す株価指数であり、また関連するインデックスに、S&P100やS&P MidCap 400、S&P SmallCap 600、S&P Composite 1500などもあります。
ダウ平均とS&P500の違いについて
ダウ平均とS&P500は、どちらも米国株の重要なインデックス(代表的な株価指標)で、以下のような違いがあります。
◎ダウ平均は、構成30銘柄の平均株価を指数化したものなのに対して、S&P500は、構成500銘柄の時価総額を指数化したものとなっている。
◎ダウ平均は、単位が「ドル・セント」であるのに対して、S&P500は、単位が「ポイント」である。
◎ダウ平均は、構成銘柄が米国を代表する30銘柄と少ないのに対して、S&P500は、流動性が高い大型株から選定された500銘柄と多い。
◎ダウ平均は、株価の高い銘柄(値がさ株)の動きに影響されやすいのに対して、S&P500は、時価総額の大きな銘柄の動きに影響されやすい。
◎日々の値動きでは、ダウ平均の方がS&P500より銘柄数が遥かに少ないため、様々な思惑で上下に大きく動きやすい(振れ幅が大きい)。
◎世間的には、ダウ平均の方がS&P500より注目されているが、米国株のベンチマーク(運用成績の評価尺度)としては、S&P500の方が広く利用されている。