外国為替証拠金取引のリスクとリターン

外国為替証拠金取引(FX)は、証拠金(現金担保)を業者に差し入れ、その何倍もの外貨取引を行うことができるものです。これは、外貨投資の一つで、世間一般では、ハイリスク・ハイリターンのイメージがありますが、一方で使い方次第では、リスクを抑えることもできます。

ここでは、FXのリスクとリターンについて、簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

外国為替証拠金取引(FX)のリスク

リスク(Risk)とは、将来のリターンの不確実性のことで、外国為替証拠金取引(FX)の場合、「レバレッジリスク」と「為替変動リスク」が主要なリスクとなります。また、これら以外に、「金利変動リスク」や「流動性リスク」、「電子取引リスク」、「信用リスク」などもあります。

|レバレッジリスク

証拠金取引では、預けた証拠金に対して、その何倍もの取引ができるため、レバレッジを効かせたポジションを作った場合、時として証拠金の大半を失うことがあり、このリスクを「レバレッジリスク」と言う。これに対応するには、レバレッジに注意することが必要(無謀な大きな取引はしない)。

|為替変動リスク

為替相場が自分の予想に反して動いた場合、為替差損が生じ、このリスクを「為替変動リスク」と言う。これに対応するには、為替相場の動向に常に注意することが必要。

|金利変動リスク

FXの金利収益である「スワップポイント」は、通貨ペアを構成する各通貨の金利動向に影響され、この金利の受け払いのリスクを「金利変動リスク」と言う。特に2通貨間の金利が逆転しそうな局面では注意が必要。

|流動性リスク

通貨危機や戦争、大規模テロ、大規模災害などの際に、外国為替取引が正常にできなくなることがあり、このリスクを「流動性リスク」と言う。主要通貨以外のマイナー通貨では、平常時でも流動性が小さいので注意が必要。

|電子取引リスク

ネット取引の場合、ロットを間違えたり、買いと売りを間違えたりするなど、誤入力で間違って注文を出すことを「電子取引リスク」と言う。これに対応するには、取引内容を常にしっかりと確認することが必要。

|信用リスク

店頭FXの場合、取引会社が倒産し、預けた証拠金が戻ってこなくなることがあり、このリスクを「信用リスク」と言う。これに対応するには、顧客からの証拠金を信託保全している会社を選ぶことが必要(分別管理以外に、会社の信用力も注意)。

外国為替証拠金取引(FX)のリターン

リターン(Return)とは、将来得られる可能性のある収益や収益率のことで、外国為替証拠金取引(FX)の場合、「インカムゲイン(スワップポイント)」と「キャピタルゲイン(為替差益)」から構成されます。

通常、スワップポイントについては、金利の動向によって変わってくるのに対して、為替差益については、外国為替市場の動向、通貨ペアの選定、ポジション(ロング/ショート)の選定、売買のタイミングなどによって大きく変わってきます。

|インカムゲイン

FXの場合、金利収益は「スワップポイント」のことで、2通貨間の金利差に相当するもの。

|キャピタルゲイン

FXの場合、「為替差益」のことで、新規にポジションを保有した時の為替レートと、そのポジションを反対売買で決済した時の為替レートの差額によって得られる利益。ロングとショートの両方で、為替差益を狙える。

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