外貨預金と外貨建てMMFの違いは?
資産運用において、外貨投資の一番身近なものとして、「外貨預金」と「外貨建てMMF」の2つがあります。どちらも外貨建て商品のため、為替変動による為替リスクはありますが、外貨投資を初めて行う人にとっては、比較的シンプルで分かりやすいと言えます。
ここでは、「外貨預金」と「外貨建てMMF」の違いについて、簡単にまとめてみました。
目次:コンテンツ構成
外貨預金と外貨建てMMFの商品内容
外貨預金と外貨建てMMFは、どちらも外貨投資の定番商品ですが、その内容については、外貨預金が「預金商品」なのに対して、外貨建てMMFが「投資信託」であり、大きく異なっています。
外貨預金について
外貨預金は、元金と利息が共に外貨建ての預金をいいます。これは、基本的な仕組みは円預金と同じですが、一方で金利は各通貨の母国金利水準を参考に、各金融機関が自由に設定しています。また、外貨ベースでの元本は、各金融機関によって保証されますが、預金保険制度の対象ではありません。
一般に外貨預金の種類には、外貨普通預金や外貨通知預金、外貨貯蓄預金、外貨定期預金などがありますが、提供する金融機関によって、その種類や通貨は異なります。
外貨建てMMFについて
外貨建てMMFは、外国で設定され、日本に持ち込まれて販売される、外国投資信託の一種をいいます。
通常、米ドルやユーロ、豪ドルなどの対象通貨の高格付け債券や短期金融商品を中心に運用され、信用リスクの軽減や資金の流動性の確保が図られているため、外貨建て元本の安全性は非常に高いです。
外貨預金と外貨建てMMFの活用
外貨預金や外貨建てMMFの運用にあたっては、「円高で預けて、円安で引き出す(円転する)」というのが基本となりますが、それ以外にも「外貨投資のベース商品」として活用できます。
例えば、外貨預金であれば、外国債券や外国投信などの受け皿として、また外貨建てMMFであれば、外国債券や外国投信、外国株式の受け皿として活用できます。
外貨預金と外貨建てMMFの違い(比較表)
最後に「外貨預金」と「外貨建てMMF」の違いを簡単にまとめると、以下のようになります。
運用対象 | 外貨預金 | 外貨建てMMF |
---|---|---|
取扱機関 | 銀行、信託、信金、信組など | 証券会社、銀行など |
商品種類 | 普通預金、貯蓄預金、定期預金、仕組み型預金・・・ | MMF |
通貨 | 米ドル、ユーロ、豪ドル、NZドル、カナダドル、英ポンド、スイスフラン、南アランド、香港ドル、人民元、ブラジルレアルなど | 米ドル、ユーロ、豪ドル、NZドル、カナダドル、英ポンド、南アランド、トルコリラなど |
リターン | インカムゲイン -利息(確定利回り) キャピタルゲイン -為替差益 |
インカムゲイン -収益分配金(実績配当) キャピタルゲイン -為替差益 |
リスク | 為替リスク 信用リスク(金融機関の倒産) |
為替リスク |
預入金額 | 金融機関や商品による(定期はある程度の預入単位が必要) | 金融機関による(預入単位が比較的小さい) |
預入期間 | 普通預金:無期限 定期預金:1カ月から1年など |
無期限 |
為替手数料 | 金融機関による(通常、外貨MMFより高い) | 金融機関による(通常、外貨預金より安い) |
税金 | 利息 -源泉分離課税 為替差益 -総合課税(雑所得) |
利息 -源泉分離課税 為替差益 -申告分離課税(譲渡所得) |
換金性 | 普通預金はいつでも可能、定期預金は中途解約に制限あり | いつても可能 |
外貨での 引き出し |
出来るところもある |
出来ない |
外貨での 送金 |
出来るところもある | 出来ない |
キャンペーン | 時期により金利優遇等を実施 | 特になし |
その他 | 外国投信や外債などの受け皿口座として活用 | 外国投信や外債などの受け皿口座として活用 |