外国為替相場とは何か?
外国為替相場は、外貨投資を行う上で、必ず知っておくべき基本知識です。もし知らないと、外貨投資の効果的な取引や損益管理を行うことができません。また、その中でも特に重要なのは、金融商品の取引(購入・売却)時の通貨換算の仕組みです。
ここでは、外国為替相場の概要について、簡単にまとめてみました。
目次:コンテンツ構成
外国為替相場の基本事項
外国為替相場とは、ある国の通貨と他の国の通貨の交換比率(自国通貨と外国通貨の交換比率)をいいます。これは、国によって制度が大きく異なっており、完全な変動相場制を採用している通貨は、今日でも、先進国の通貨など一部の国の通貨に限られています。
ちなみに、日本に関しては、戦後の1949年に1ドル=360円の固定相場に設定され後、1973年に変動相場制に移行し、現在に至っています。
|外国為替相場の制度
外国為替相場の制度には、大きく分けて、
「固定為替相場制」と「変動為替相場制」の二つがあります。
|固定為替相場制|
「固定相場制」とも呼ばれ、為替レートを一定の範囲内に固定する制度をいい、その種類には、ドルペック制のように一国のみの通貨と連動させる「単一通貨固定制」と、複数の通貨レートの平均値と自国通貨を連動させる「通貨バスケット制」がある。
|変動為替相場制|
「変動相場制」とも呼ばれ、固定相場制のように通貨を一定比率に固定せず、為替レートの決定を外国為替市場(マーケット)の需要と供給により自由に変動させる制度。
|外国為替相場の特色
外国為替相場の特色としては、一般的には、以下が挙げられます。
・単なる通貨の両替価格ではない
・実際は外国通貨や外貨手形などを売買する形をとるので、外国為替という商品の価格と言える
・米ドルが基軸通貨となっており、米ドルを基準に相場を見る傾向がある
・固定相場制 < 管理変動相場制 < 変動相場制 の順で相場の変動幅が大きくなっている
外国為替相場の意味と仕組み
外国為替相場で「ドル/円」と言った場合、ドルに対しての円の価格になります。また、「ドル/円が上昇する」とは、ドルの価格が円に対して上昇することを意味します。
・円高:円が外貨に対して強くなる(例:100→90)
・円安:円が外貨に対して弱くなる(例:90→100)
一般に外国為替相場は、上下に動き、時間の経過と共に山と谷の反転を繰り返しながらトレンドを形成し、また時系列の動向は「チャート」を見ることで把握できます。
・トレンドは長期の周期と中短期の周期をチェック
・各通貨の固有の動き方やクセをチェック
外国為替相場の種類
外国為替相場は、「市場相場」と「対顧客相場」、「直物相場」と「先物相場」に分けられます。
|市場相場と対顧客相場
・市場相場(Inter Bank Rate)
-インターバンク市場で金融機関同士で取引する時の相場
・対顧客相場(Customer Rate)
-金融機関が企業や個人などの顧客と取引する時の相場
|直物相場と先物相場
・直物相場(Spot Rate)
-直物為替に適用される相場
-当日または数日中に受け渡される取引に適用
・先物相場(Forward Rate)
-先物為替に適用される相場
-予約日の翌営業日以降に受け渡される取引に適用
銀行の対顧客相場の仕組み:顧客側から見て
銀行の対顧客相場は、インターバンク市場の仲値を基準に、銀行が損をしないように、外貨購入時は高く、外貨売却時は安く、設定されています。
例えば、外貨預金では、円から外貨に替える預入時には、仲値より高い「TTS」が適用され、一方で外貨から円に替える解約時(円転時)には、仲値「TTB」が適用されます。
・仲値(実勢相場の基準値)
-各銀行が毎日、その日の実勢相場を基に決める基準相場
・TTS(対顧客電信売相場)
-顧客が円を外貨に替える時のレート(仲値<TTS)
・TTB(対顧客電信買相場)
-顧客が外貨を円に替える時のレート(仲値>TTB)
※為替手数料は、金融機関や通貨、商品によって異なる。