為替相場の原理・原則
為替相場は、日々の世界経済や国際情勢の中で、様々な要因や思惑を織り込みながら、絶えず変動しています。通常、モノの値段が買い手と売り手の「需要と供給(需給バランス)」で決まるように、為替相場も基本的には「通貨の買い手と売り手の需給バランス」で決まります。
ここでは、外国為替取引で基本となる「為替相場の原理・原則」について、簡単にまとめてみました。
目次:コンテンツ構成
為替相場の変動について
為替相場は、普段はそれほど動きませんが、ある日、突然大きく動くことがあります。経験則的には、為替相場(為替レート)の最大変動は20%程度と言われています。
・1日で5円程度の変動 → 1年に1~2回
・1日で10円程度の変動 → 5年に1~2回
・1日で20円程度の変動 → 10年に1~2回
為替相場の特性について
為替相場は、世界最大のマーケットで、独自の特性を持っています。
・ゼロサムゲームの世界~誰かが勝てば、誰かが負ける
・世界中で同じ指標や材料を見ながら取引が行われる
・市場が大きく、プロが中心であり、綺麗なチャートが描かれる
・株式や債券のように合理的な価格水準がない
・為替レートには絶対的な高値(天井)や底値(底)がない
為替相場の視点について
為替相場は、米ドルが基軸通貨のため、常に米ドルの動きに注視します。また、指標の反応等では、「ドル買い」「ドル売り」のどちらに傾いているかを確認します。
・ユーロ/米ドルのトレンドを常にチェック
・市場参加者の注目材料(テーマ)を常にチェック
・クロスレートは2つの通貨ペアの動向をチェック
・通貨オプションのボラティリティ(予想変動率)をチェック
・市場参加者の材料に対する反応と行動(行動心理)をチェック
為替相場の仕組みについて
為替相場は、買い手と売り手の需給バランスを元に、短期的には小刻みに上下しながら、中長期的には大小の波(山と谷)を描きながら進んでいきます。
・為替相場は買い手と売り手の需給バランスで動く
・為替相場には、上昇相場、下降相場、ボックス相場がある
・トレンドを形成すると、ある程度の期間継続する
・上昇はゆっくりで、下降は速いという傾向がある
・大きく動く時は、その裏で必ず大量の売買が伴う
※ボックス相場(レンジ相場):上下動を繰り返す相場
為替相場のトレンドについて
為替相場は、常に何らかの方向性を持っており、その方向性のことを「トレンド」と言い、「上昇」「下降」「横ばい」の3つがあります。また、現在の相場の流れが、「買い方向」「売り方向」「ニュートラル」のどれかを見極めることも大切です。
・上昇トレンド:為替レートが上昇傾向
・下降トレンド:為替レートが下降傾向
・横ばい(レンジ):為替レートが一定の範囲でもみあい
※トレンド推移:形成開始→本格化→終焉・崩壊
為替相場の動くパターンについて
為替相場は、市場参加者の行動心理を反映して、絶えず動いています。
・サプライズ(情報)で動く
・トレンド(テクニカル)で動く
・ポジションで動く
為替相場と金融政策について
為替相場は、各国の中央銀行が景気動向や物価動向などを見て、政策金利の上げ下げを行う「金融政策」に大きな影響を受けます。
・金融政策の目的:物価水準や通貨価値の安定
・利上げの材料:景気拡大、物価上昇、雇用拡大、消費増 他
・為替への影響:利上げで通貨高、利下げで通貨安