外国為替証拠金取引のマージンコールとロスカット
外国為替証拠金取引(FX)では、レバレッジを利かせた取引をした場合、大きな損失が生じる可能性があります。そのような事態に備えて、顧客が預けた証拠金がゼロにならないようにするために、取引会社の方で「マージンコール」と「ロスカット」といった、リスク管理の仕組みを用意しています。
ここでは、FXのマージンコールとロスカットについて、簡単にまとめてみました。
目次:コンテンツ構成
FXのマージンコールとロスカット
外国為替証拠金取引(FX)は、レバレッジをかけられる証拠金ベースの取引で、また外国為替市場は、24時間休みなく動いています。そのため、相場が予想外に大きく動いて、保有するポジションに大きな評価損が発生する可能性があり、最悪の場合は、証拠金がゼロになることもあります。
このような事態に備えたリスク管理の仕組みが「マージンコール」と「ロスカット」で、現在、マージンコールについては、全ての会社が用意している訳ではありませんが、ロスカットについては、ほぼ全ての会社が用意しています。
FXのマージンコールの仕組み
マージンコール(Margin call)とは、外国為替証拠金取引(FX)において、ポジションの評価損が大きく膨らんで維持証拠金が少なくなった時(取引会社が指定する水準になった時)に、取引会社からメール等で発せられる「追加証拠金発生の通知」をいいます。
|マージンコールの役割
マージンコールは、ロスカットにならないようにするための最初の予防策で、口座の証拠金がポジションを保有し続けるために必要な最低金額を下回っていることを顧客に知らせる緊急時の対応となっています(取引会社によっては提供していないところもあり)。
|マージンコールの発生時の対応手段
相場の予測が大きく外れたり、また相場が急激に変動したりして、マージンコールが発生した場合、実際に対応する手段としては以下の2つがあります。
・追加証拠金(新たな資金)を入金する
・ポジションを縮小して担保余力を高める
FXのロスカットの仕組み
ロスカット(Loss Cut)とは、外国為替証拠金取引(FX)において、一定の水準以上のロス(損失)が発生した場合に、さらなる損失の拡大を防ぐため、ポジションを強制的に決済することをいいます。
|ロスカットの役割
ロスカットは、取引会社が用意したリスク管理の仕組み(自動的な損切り)で、予め設定された損失の範囲まで相場が動いた時に、自動的に反対売買が行われて損失を限定するものとなっています。
・証拠金を全額失わないための安全装置
・強制的な反対売買(強制決済)
|ロスカットになるとどうなる?
ロスカットになると、ポジションが強制決済されて、評価損が実現損となり、また預けた証拠金が大きく減ることになります。
実際に外国為替証拠金取引(FX)の初心者が、いきなりレバレッジ一杯で取引を行い、予測が外れて大きな評価損を抱え、いつの間にかロスカットが実施されて、資金を大きく失ったという例は結構あります。