ファンド・オブ・ファンズ
ファンド・オブ・ファンズ(Fund of funds)は、簡単に言えば、投資信託に投資する投資信託をいいます。
複数の投資信託(ファンド)を適切に組み合わせて、一つのファンドにまとめたもので、その種類には、運用会社が自社で運用するファンドを投資対象とするものもあれば、他の会社が運用するファンドを投資対象とするものもあれば、また自社と他社のファンドをミックスして投資対象とするものもあります。
ここでは、投資信託の一つの形態である「ファンド・オブ・ファンズ」について、簡単にまとめてみました。
目次:コンテンツ構成
ファンド・オブ・ファンズの特色
ファンド・オブ・ファンズとは、投資信託会社(運用会社)が、複数の投資信託(ファンド)を適切に組み合わせて、一つの投資信託(ファンド)に取りまとめたものです。
◎株式や債券などの個別銘柄へ投資するのではなく、複数のファンドへ投資するファンドであり、運用会社に銘柄選びを任せるのではなく、「ファンド選び」を任せていると言える。
◎運用会社は、予め定めた運用方針に基づき、その時々の環境に適した投資対象のバランス割合を決め、またプロの視点で適切なファンドを選択し、長期運用における「資産の分散」を投資家の代わりに実行する。
◎運用会社は、マーケットの運用環境によって、定期的にバランス割合を元に戻したり(リバランス)、バランス割合を変更したりする(リアロケーション)。
ファンド・オブ・ファンズの代表例
ファンド・オブ・ファンズの代表例の一つに、確定拠出年金の運用対象としても注目される、「ライフスタイルファンド(ライフストラテジーファンド)」があります。
ライフスタイルファンドとは、各ファンドへの投資パターンを低リスク型や中リスク型、高リスク型といったように、特定のリスクを取るように設計されたもので、高リスク型から低リスク型への資産配分の変化を時間(年齢)の経過と関連付けて、自動的に調整していくファンドになっています。
ファンド・オブ・ファンズのメリットとデメリット
昨今、ファンド・オブ・ファンズは、投資信託の一つの形態として、個人にも広く普及していますが、一方で以下のようなメリットとデメリットがあります。
|ファンド・オブ・ファンズのメリット
・購入者は複数の投資信託の選択を行う手間が省ける
・運用のプロによって、ファンド選択が行われる
・複数のファンドに投資するため、分散投資効果が高く、リスクをより低減できる
・既に実績のあるファンドの付加価値を統合できる
・当初の資産残高が小さくても、他の大型ファンドに投資することで規模の利益が得られる
・資産配分方針により、自動的にリバランス運用が行われる
・運用会社や運用者、投資対象を広く分散できる
・日常的なリサーチや運用を効率化できる
|ファンド・オブ・ファンズのデメリット
・ファンドの実質的な中身が分かりづらい
・通常のファンドに比べて、運用状況が分かりずらい
・運用報酬が二重にかかるなどコストが高くなる
・運用会社に運用方針やリバンランスなど大きく依存する
ファンド・オブ・ファンズの基本事項
ファンド・オブ・ファンズを利用する際には、運用会社の運用方針、投資するファンドの運用実績、また信託報酬等のコスト面などをよく理解しておくことが必要です。
取扱機関 | 証券会社、投信会社、銀行、保険会社・・・ |
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商品内容 | 投資信託(ファンド)に投資する投資信託(ファンド) |
注目ファンド | ヘッジファンドや商品ファンドに投資するファンド 資産配分を自動的に調整していくライフスタイルファンド 金融機関が独自の視点で設定したファンド・オブ・ファンズ |