金ミニ先物

金ミニ先物は、「金現金決済先物取引」とも呼ばれ、大阪取引所が提供する金の商品先物取引(限月現金決済先物取引)をいいます。

2007年7月に旧・東京工業品取引所(現・東京商品取引所)が取引を開始し、その後、2019年11月に東京商品取引所が日本取引所グループの完全子会社になったことでグループ内の再編が行われ、2020年7月に金ミニ先物は大阪取引所に移管されました。

ここでは、金ミニ先物の概要について、簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

金ミニ先物の仕組み

金ミニ先物(金現金決済先物取引)は、金標準先物の価格を取引対象とした「限月現金決済先物取引」です。

通常の金標準先物が「現物先物取引」で、取引単位が1キログラムであるのに対して、金ミニ先物は、リスク許容度の低い市場参加者にも配慮して、取引単位を10分の1である100グラムとし、小口化してあります。

また、決済方法は、金標準先物とは異なり、現物受渡しがなく、転売または買戻し、最終決済(最終清算数値による決済)となっています。

|現金決済先物取引

現金決済先物取引とは、限月を設定している商品先物取引のうち、現金決済でのみ建玉を決済できる取引をいいます。期間中は、転売または買戻しで決済を行い、また取引最終日までに決済を行わなかった場合は、最終決済価格をもって決済されます。

|ロスカット制度

リスク管理面で「ロスカット制度」が設けられており、委託者(顧客)の選択により、適用できるようになっています(商品取引員によって異なる)。

<ロスカット制度について>

商品取引員(受託会員)が定める取引約款等に基づいて、予め顧客が示した「損失の限度」に達した際に、事前に決められた方法によって、先物の建玉を手仕舞う注文を受託会員側で執行し、損失の限度を超える「大きな損失」の発生を極力防ぐことを目的としたもの。

金ミニ先物の主なポイント

金ミニ先物は、金ETFなどよりリスクは高いですが、その仕組みをよく理解すると、国際商品(コモディティ)の代表的な商品である「金(Gold)」の価格変動で高い収益を上げることができます。

・取引単位が100gの小口化した金先物取引
・現物の受け渡しのない、差金決済取引
・買いからでも売りからでも取引ができる
・少額の資金で取引ができる(レバレッジ効果)
・短期間でも利益の機会が豊富
・他の金融商品と相関性が低い
・元本が保証されず、ハイリスク・ハイリターンの取引
・相場見通しを誤ると、取引追証金が発生することもある

金ミニ先物の基本事項

金ミニ先物は、比較的小口の資金(証拠金)で、金価格の変動に注目した取引を行いたい場合に活用します。具体的には、今後の金価格を予想し、先行き上がると思えば「買い」から入り、下がると思えば「売り」から入ります。

取扱機関 商品取引会社、証券会社
取引種類 限月現金決済先物取引
取引対象 金標準先物の価格
リターン キャピタルゲイン(差金決済益)
リスク 価格変動リスク(先物価格)
レバレッジリスク(少ない資金で大きな取引)
関連マーケット 商品市場(金)、外国為替市場 他
取引単位 100グラム(1枚)
限月 6限月制
税金 申告分離課税(雑所得)

iFinancial TV