地方債

地方債は、地方公共団体が歳入(財政収入)の不足を補うために金銭を借り入れることによって負う債務をいいます。これは、都道府県や市区町村が財政収入の不足を補うために、資金調達(債券発行等)によって負担する債務で、通常、債務の返済が一会計年度を越えて行われるものをいい、また債券市場では、国債や政府保証債に次いで、信用度や安全度が高い債券とみなされています。

一般に地方債は、地方自治法において、起債する場合、予算で起債の目的、限度額、起債の方法、利率及び償還の方法を定めておくことが必要とされています。昨今、その発行額は増加傾向にあり、地方自治体の民間資金への依存度が高まっている中、地方債の流通市場においては、発行団体の財政状況に応じた「利回り格差」が生じています。

地方債を起債できる事業

地方公共団体は、地方債以外の歳入をもって、その歳出(経費)を賄うことが原則とされているため、地方債を財源とすることができるのは、以下の5つの事業(適債事業)の財源とする場合に限られています。(その他に、特例として起債できる場合もあり)

1.交通事業や水道事業など公営企業に要する経費に使う場合
2.出資金や貸付金に使う場合
3.地方債の借換えのために要する経費に使う場合
4.災害応急・復旧・救助事業に要する経費に使う場合
5.公共施設または公用施設の建設事業に要する経費に使う場合

地方債の種類

地方債は、大きく分けて、「公募地方債」と「銀行等引受地方債」の2つがあります。

●公募地方債とは

公募地方債は、広く投資家に購入を募る方法により発行される債券で、「市場公募地方債」と「住民参加型市場公募地方債」とに分けられます。後者の住民参加型市場公募地方債とは、2001年度から導入されたもので、地域住民の方を中心に購入を募る債券となっています。

●銀行等引受地方債とは

銀行等引受地方債は、地方公共団体の指定金融機関等から借入れ、または引受けの方法により発行される債券で、証券発行の方法によるものと、証書借入の方法によるものとがあります。

地方債の安全性

地方債は、「暗黙の政府保証」があるとみなされるため、安全性が非常に高いです。現在、元利金は、以下の仕組みのもと確実に償還され、BIS規制の標準的な手法におけるリスクウェイトは0%とされています。

・地方債の元利償還に要する財源の確保
・早期是正措置としての起債許可制度
・財政の早期健全化、財政の再生

地方債の基本事項

地方債は、満期まで保有すれば元本保証されますが、中途で売却すれば売却損が発生することもあります。そのため、取引する際には、償還までの期間が長期にわたることから、金利情勢に十分注意することが必要です。

取扱機関 銀行、証券会社
リターン インカムゲイン(クーポン)
キャピタルゲイン(売却益、償還益)
リスク 価格変動リスク(債券価格により、償還損や売却損が発生)
関連マーケット 長期金融市場(債券市場)
預入期間 5年、10年、15年、20年など
金利種類 固定金利(発行時の表面金利が支払われる)
利払い 半年毎に利払い
換金性 いつでも時価で売却可能
税金 利子:源泉分離課税または申告分離課税
償還差益/売却益:申告分離課税(譲渡所得)
保護制度 都道府県や市区町村が元利保証