不動産投資信託(REIT)

REIT(リート)は、"Real Estate Investment Trust"の略で、日本語で「不動産投資信託」とも呼ばれ、オフィスビルや商業施設、物流施設、ヘルスケア施設、ホテル、マンションなど、不動産を投資対象とする投資信託をいいます。また、日本版REITは、「J-REIT(ジェイ・リート)」とも呼ばれます。

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不動産投資信託(REIT)の仕組みと形態

不動産投資信託(REIT)は、多くの投資家から集めた資金や金融機関から借り入れた資金を用いて、投資方針で定められた対象(不動産)を複数購入し、その不動産から得られる賃貸料収入や売却益を投資家に還元(分配)する仕組みとなっています。

また、その形態には、大きく分けて「投資信託(契約型)」と「投資法人(会社型)」の2つがありますが、現在、日本の証券取引所(金融商品取引所)に上場されている銘柄は、その全てが投資法人の形態を選択しています。

日本版REIT(J-REIT)の概要

日本では、2000年11月の投資信託及び投資法人に関する法律の施行により、投資信託の運用対象に不動産も認められたことにより、「不動産投資信託(REIT)」の導入が可能になり、2001年9月10日に日本初のREITとして「日本ビルファンド投資法人」と「ジャパンリアルエステイト投資法人」が東京証券取引所に上場しました。

日本版REITは、「J-REIT(ジェイ・リート)」とも呼ばれ、現在、証券取引所に上場されている銘柄は、その全てが「投資法人」の形態をとっており、以下のような関係者から構成されています。

不動産投資法人

投資信託及び投資法人に関する法律に基づき、不動産への投資・運用を目的として設立された社団法人(会社型投資信託)。現在、運用等の実質的な業務を行うことが法律によって禁止されているので、日々の運営において必要となる各種業務を委託している。

資産運用会社

不動産投資法人からの委託を受け、投資する不動産の選定を行ったり、どのような条件で不動産を賃貸するのかなどの戦略を策定する。また、不動産の価値を維持するための修繕計画を立案し、実行するほか、財務戦略を立案し、必要な資金の調達も行う。

資産保管会社

不動産投資法人からの委託を受け、保有している不動産等の資産の管理を行う会社で、通常、信託銀行が資産保管会社になる。

事務受託会社

不動産投資法人からの委託を受け、会計に関する事務、納税に関する事務、投資法人債に関する事務などを請け負う会社等で、それぞれの業務毎に専門の会社(銀行・信託銀行・税理士法人等)が選ばれる。

投資主

不動産投資法人(会社型投資信託)に投資する投資家で、株式会社の株主総会にあたる「投資主総会」で意思を示すことができる。

日本版REIT(J-REIT)の市場と取引

日本版REIT(J-REIT)の市場は、2001年に東京証券取引所に開設されて以降、様々な銘柄(投資法人)が上場されており、その上場銘柄には株式と同様、4桁の証券コードが割り当てられ、取引所の立会時間中は常に価格が変化しています。

また、株式と同様、証券会社を通じていつでも売買を行うことができ、指値注文や成行注文、信用買いや信用売りなども可能になっています。

<J-REITの株式取引での認識>

・不動産投資法人:株式会社に相当
・投資証券:株券に相当(投資口を表す有価証券)
・投資口:株式に相当
・投資口価格:株価に相当
・投資主:株主に相当
・投資主総会:株主総会に相当

不動産投資信託(REIT)の主な特徴

不動産投資信託(REIT)は、個人でも手軽に不動産投資が可能であり、主な特徴として以下が挙げられます。

・小口の資金でリスク分散された不動産投資ができる
・証券取引所に上場されている(市場価格で取引)
・安定した分配金と相対的に高い利回りが期待できる
・株式と同じようにいつでも売買ができる
・指値注文や成行注文などができる
・信用取引(買い建て、売り建て)ができる
・投資判断や損益把握が容易である

不動産投資信託(REIT)の基本事項

不動産投資信託(REIT)は、他の金融商品と相関性が低く、オルタナティブ投資の一つの選択肢として活用できます。

取扱機関 証券会社
リターン インカムゲイン(分配金)
キャピタルゲイン(売却益)
リスク 価格変動リスク(取引価格、不動産市況)
信用リスク(投資法人)
取引単位 銘柄により異なる
注文方法 銘柄名(銘柄コード)
売りか、買いか
株数
成り行きか、指し値か
注文期限
換金性 いつでも時価で売却可能
税金 株式と同様の課税関係

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